【NBA】NBAサラリーキャップ完全ガイド(全体像編、25-26シーズン)

NBA

※この記事は用語の全体地図。各項目の詳しい仕組み・金額・条件は別記事で解説します。

  1. 1. まず前提:NBAのキャップは「ソフトキャップ」
  2. 2. 主要なライン(境界線)
    1. サラリーキャップ(Cap)
    2. サラリーフロア(Floor)
    3. ラグジュアリータックスライン(Tax)
    4. ファーストエプロン(First Apron)
    5. セカンドエプロン(Second Apron)
  3. 3. キャップを超えて契約するための「例外(Exceptions)」
    1. バード権(Bird / Early Bird / Non-Bird)
    2. ミッドレベル例外(MLE:Non-Taxpayer / Taxpayer / Room)
    3. バイアニュアル例外(BAE)
    4. 最低年俸例外(Minimum)
    5. ルーキー例外(Rookie Scale:主に1巡目)
    6. セカンドラウンド例外(Second-Round Pick Exception)
    7. ツーウェイ契約(Two-Way)
    8. Exhibit 10
    9. トレード例外(Traded Player Exception / TPE)
    10. 故障者例外(Disabled Player Exception / DPE)
    11. 再契約関連(Reinstatement など)
  4. 4. タックスとペナルティ(Tax & Penalties)
    1. ラグジュアリータックス(Luxury Tax)
    2. リピータータックス(Repeater Tax)
    3. タックス配分(分配)
  5. 5. 契約の上限・特別枠(Individual Salary Rules)
    1. 最大契約(Max Salary)
    2. 指定選手(Designated Player)/ローズルール(5年30%)
    3. 指定ベテラン延長(DVPE)/いわゆるスーパーマックス
    4. オーバー38ルール(Over-38 Rule)
    5. オプション(Player Option / Team Option)
  6. 6. FA・キャップスペース運用の用語
    1. フリーエージェント(UFA / RFA)
    2. クオリファイングオファー(Qualifying Offer)
    3. モラトリアム(Moratorium)
    4. キャップホールド(Cap Hold)
    5. サイン&トレード(Sign-and-Trade)
  7. 7. トレード周り(Salary Matching & Restrictions)
    1. サラリーマッチング
    2. 現金添付(Cash in Trades)
    3. ドラフト指名権の扱い(Stepien Rule 等)
    4. ベースイヤー補償(BYC)
  8. 8. ロスター管理(枠・放出・救済措置)
    1. ウェイバー(Waivers)
    2. セットオフ(Set-Off)
    3. ストレッチ条項(Stretch Provision)
    4. アムネスティ(Amnesty Clause ※過去制度)
  9. まとめ:この記事の使い方
  10. 参考(更新日参照)

1. まず前提:NBAのキャップは「ソフトキャップ」

NBAのサラリーキャップは、チーム総年俸に“目安の上限”を置きつつ、例外規定で上限超えを認めるソフトキャップ。一方で、タックスやエプロンによって“実質的な制限”が段階的に強くなる。


2. 主要なライン(境界線)

サラリーキャップ(Cap)

年俸総額の基準となるライン。ここを境に「キャップスペースがある/ない」が変わる。

サラリーフロア(Floor)

最低支出ライン。一定割合まで選手給与を使うことが求められる(不足すると調整が入る)。

ラグジュアリータックスライン(Tax)

ここを超えるとぜいたく税が発生。超過額に応じて段階的に課税される。

ファーストエプロン(First Apron)

タックス上部の境界線。超えると、例外の利用や補強手段が制限されやすい。

セカンドエプロン(Second Apron)

近年の最重要ライン。超えると補強・トレード・ドラフト運用の制約が大幅に増える(実務上の“強い縛り”)。


3. キャップを超えて契約するための「例外(Exceptions)」

バード権(Bird / Early Bird / Non-Bird)

自チームの選手を、キャップ超過でも再契約しやすくする仕組み。保持年数や条件で3段階に分かれる。

ミッドレベル例外(MLE:Non-Taxpayer / Taxpayer / Room)

キャップ状況に応じて使える“中規模の補強枠”。エプロンとの兼ね合いで使える種類が変わる。

バイアニュアル例外(BAE)

一定額の契約に使える小型例外。使用条件があり、乱用できない。

最低年俸例外(Minimum)

キャップ超過でもミニマム契約で選手を獲得できる枠。

ルーキー例外(Rookie Scale:主に1巡目)

ドラフト指名選手(特に1巡目)を、キャップ状況に関係なく契約できる仕組み。

セカンドラウンド例外(Second-Round Pick Exception)

2巡目指名選手を契約しやすくする新しい枠(近年導入)。

ツーウェイ契約(Two-Way)

NBAとGリーグを行き来できる契約。枠数・扱いが通常契約と異なる。

Exhibit 10

主にキャンプ招集やGリーグ運用と結びつく契約条項。育成・補強の実務で登場する。

トレード例外(Traded Player Exception / TPE)

トレードで年俸差が生じたとき、その差額分を後日吸収できる“枠”が生まれることがある。

故障者例外(Disabled Player Exception / DPE)

長期離脱選手が出た場合に、代替選手を獲得するための例外(認定条件あり)。

再契約関連(Reinstatement など)

特殊事情(復帰等)に対応するための例外的な再契約ルール。


4. タックスとペナルティ(Tax & Penalties)

ラグジュアリータックス(Luxury Tax)

タックスライン超過に対する課税。段階制で、連続支払い(リピーター)はより重い。

リピータータックス(Repeater Tax)

一定期間に複数回税を払うと税率が跳ね上がる制度。長期的な“高額維持”を抑制する狙い。

タックス配分(分配)

徴収された税金は一定のルールで分配され、非課税チーム側にメリットが生まれる構造になっている。


5. 契約の上限・特別枠(Individual Salary Rules)

最大契約(Max Salary)

経験年数などにより「キャップの◯%」が上限になる。

指定選手(Designated Player)/ローズルール(5年30%)

若手スター向けの上乗せ条件。一定の受賞・選出実績で上限が引き上がる。

指定ベテラン延長(DVPE)/いわゆるスーパーマックス

自前のスターを引き留めるための大型延長枠。条件を満たすとさらに高額・長期が可能。

オーバー38ルール(Over-38 Rule)

高齢選手への長期契約を“後払い”で抜け道化するのを防ぐためのキャップ計上ルール。

オプション(Player Option / Team Option)

契約最終年などを、選手またはチームが延長判断できる条項。


6. FA・キャップスペース運用の用語

フリーエージェント(UFA / RFA)

UFAは自由契約、RFAは元チームにマッチ権がある。

クオリファイングオファー(Qualifying Offer)

RFA化するための提示。受けると短期契約、拒否してオファーシートへ、など分岐点になる。

モラトリアム(Moratorium)

FA解禁直後の“合意はできても正式契約が進みにくい期間”。報道が先行しやすい。

キャップホールド(Cap Hold)

FAが未契約の間、旧所属チームのキャップ計算に残る“仮の計上額”。キャップスペースの見え方を変える。

サイン&トレード(Sign-and-Trade)

FAを一度サインしてからトレードする手段。エプロン等の条件で制約を受けやすい。


7. トレード周り(Salary Matching & Restrictions)

サラリーマッチング

キャップ超過チームは、基本的に「出す年俸」と「取る年俸」に制限がある。

現金添付(Cash in Trades)

トレードに金銭を付ける手段。エプロン超過では制限が強まる。

ドラフト指名権の扱い(Stepien Rule 等)

将来指名権の取引可能年数・制約など。エプロン超過チームは運用が厳しくなることがある。

ベースイヤー補償(BYC)

再契約直後の選手をトレードに使う際、年俸計算が特殊になるルール。


8. ロスター管理(枠・放出・救済措置)

ウェイバー(Waivers)

解雇された選手を他チームがクレームできる仕組み。成立すると契約を引き継ぐ。

セットオフ(Set-Off)

解雇後に別チームで契約した場合、元チームの支払い義務が一部相殺される考え方。

ストレッチ条項(Stretch Provision)

残り保証額を複数年に引き延ばしてキャップ負担を分散する手段。

アムネスティ(Amnesty Clause ※過去制度)

特定期間に1人だけキャップ/税計上から外せた救済措置(現在は基本的に過去の話)。


まとめ:この記事の使い方

  • 今は“用語の地図”を押さえる回
  • 以降、個別記事で
    • 「エプロン超過で何ができなくなる?」
    • 「MLEの種類と使い分け」
    • 「バード権の条件と上限」
    • 「トレードのサラリーマッチ」
      などを順番に掘る、が最短ルート。

参考(更新日参照)

NBA CBAs & Tax History
A look at the CBAs and history of the luxury tax for each year of the NBA.

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